モリンガ・プロジェクト1:イントロ

2013年2月12日 at 6:17 PM

突然ですが、質問です。

あなたの家の裏庭に、とっても価値のある果物、もしくは植物(甘くて美味しい、栄養素がたんまり詰まっているなど)があったらどうしますか?

とりあえず、ご近所に配ります?それとも、どこかに売り込みますか?

多分ほとんどの方が、そんなに価値があるなら、自分達だけで食べてないで、売りに出してみますよね?(近所にも配ると思いますが)。それから、その商品が思った以上に評判で、注文に次ぐ、注文が舞い込んできたらどうしますか?もっと、生産→供給出来るように、裏庭を拡大して、人も雇ってなど・・・

まあ「ビジネス」を興しますよね?

ここで、そのビジネスのベネフィット(利益)を受ける人は誰になるでしょうか?

もちろん、その収入を受けるあなた、そしてあなたの家族、また雇った人達とその家族、それとその商品を運送したり、卸したりするする業者、それを売る小売店などなど・・・

すなわち、あなたの裏庭をきっかけに、それに関連するコミュニティーが活気づくわけです。そして、その果物や植物を購入するお客さんも、ある意味「価値がある商品」を購入した事で幸せになりますね。

実は、これって、いわゆる「ビジネス」なのです。英語では1つのビジネスに関わる人たちの事をステークホルダーとも言ったりしますが、良い意味でビジネスというのは、全てのステークホルダーに良い、「関わる全ての人達に良い行為」でもあるかと思います。

ですので、ある一定のステークホルダーだけが、利益を取る仕組みで動いている
ビジネスは、まあ、本来の基準では無いわけです。

例をあげると、アフリカや東南アジアなど、日本に比べて、ナチュラル・リソースが沢山ありますよね?それなのに、なぜそれらの国は貧しいのでしょうか?答えは簡単、上の例のように、全ての人たちがビジネスの枠に巻き込まれていないからです。

「巻き込む」というのは、少し曖昧な表現かもしれませんので、もう少し分かりやすい言葉で例えるなら、「価値を生み出す枠から外れているから」なのです。

具体的には、その裏庭に植物があったとしても、「業者に頼まれた時に、それを渡す」だけ。これを繰り返していても、物を頼まれたときに、渡すだけで、それでは商品の管理の仕方、加工の仕方を学ぶ事が出来ません。そもそもその商品の価値が分からないので、どの位の値段で売れるのかという基準も分かりません。

この場合、誰が一番特をするのでしょうか?

業者です。通称「ブローカー」と言われる仲介業者です。

業者とは、すなわち市場に商品を紹介する仕事を行いますが、その商品供給先の農園なりを、「労働者」として、生産の目的だけで管理しているので、それ以上でもそれ以下でも無い価値で縛っているのです。

その結果、いつまでたっても、その農園は、言われた時に生産する能力しか生まれないし、もっと悪い事に、その業者が去ってしまうと、自分達では何も出来なくなってしまうのです。これが、大抵アフリカなどの国々で行われている事ですね(もちろん、それ以外の理由も沢山ありますが)

前置きが長くなってしまいましたが、自分が手がけたモリンガというのは、アフリカ、南米、東南アジア、中南米など、比較的貧困で苦しんでいる地域に自生している植物です。

この時点でピーンときませんか?

すなわち、最初に書いた、モリンガで「普通のビジネス」を行えば、その地域が活性化するという可能性を持っているわけです、このたった1つの木が。そして、自分が「まともな業者」となれば、「価値を生み出す仕事を現地で生み出せば」・・・・

題名にあるモリンガ・プロジェクトというのは、モリンガを通して、この「ビジネス」を確立する事です。これは、最近流行のチャリティー活動などとは違います。チャリティーは「その時だけ」、「相手に条件が無くても、与える」。逆にビジネスというのは、続かなければ意味がないし、そして相手に一定の条件がなければ、事は始まりません。

ここで絶対的に必要となってくるのが、現地で絶対的に信頼できるパートナーと組む事です。しっかりした意識を持っている現地の供給先と出会わなければ、目指している「ビジネス」は成り立ちません。

その意味でも、この前のブログで書いた、現地の良きパートナーと出会った事で、このビジネスは半分成功したと言っても過言ではなかったのです。

それでも、実際に始めてみると、予想以上の困難がありまくりでした。「もおだめだぁぁぁ~」と思った事も1回や2回だけでは無かったです。それらの経験については少しずつブログに書いて行こうと思います・・が、プロジェクト開始のイントロでした。

- モリンガ・プロジェクト2に続く・・・